語らい
いつからか、遠くの稜線を眺めている。しっくりこない日溜まりに、無謀としか言いようがない成り行きに、うとうとしていたり。そばにいるはずの道連れも、なんだかやっぱり人は一人でいるような、離れ行き、道の広がりを見せる前方に解き放たれた遊び狂う空間を、ゆっくりと、鈍く、進んでいる。まわりの繋がりに、どうしても自分は離されて、それは当然というように、気まぐれに、目は、友無く、惹かれて、止んで。あまり、それからどうしようということもないんだけれども。スカートのサバーブに、ひらひらと、とりつかれて。生物的欲望?倫理的問題?ごめんなさい。謝ります。行き着く先は、いつも、ドメスティックな自慰。プライベートな領域には出すことを拒む習性と、ただの内気ナイーブ。
自分一人ではどうにもならない。他人が要る。自分でない人が要る。一人でいたいのか。たくさん知りたいのか。広げたいと思うでもない。近くでは狭めて、困らないのか。くっつきたくても、くっつけなくても、離れたくても、離れられなくても。
壊れた。滲みが無く、空席だらけに、しゃがんで。停まっていても、何も起こらず、また進んでいく。寒いときには北に行くのか。それは同胞だと言うけれど、僕は信じられない。ある時の、ある同胞に、彼は語らう。北に行くらしい。北に何があるのか。自分とは縁遠い、メロチックなものがあるのか。もう先に行けない。自滅して、足先が、霞んでいる。そうに違いない。行き着くことは出きるはず無かった。なんでもあるものが無く、無いものがあり、南からの頼りに、嘔吐し、海へと逃げ出していた。
眠気から、どことなく落ち着かなくなって、探検の役目が果たせないまま、もう寝る。
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