語らい

 


 僕は君でないし君は僕でない。

 

いつからか、遠くの稜線を眺めている。しっくりこない日溜まりに、無謀としか言いようがない成り行きに、うとうとしていたり。そばにいるはずの道連れも、なんだかやっぱり人は一人でいるような、離れ行き、道の広がりを見せる前方に解き放たれた遊び狂う空間を、ゆっくりと、鈍く、進んでいる。まわりの繋がりに、どうしても自分は離されて、それは当然というように、気まぐれに、目は、友無く、惹かれて、止んで。あまり、それからどうしようということもないんだけれども。スカートのサバーブに、ひらひらと、とりつかれて。生物的欲望?倫理的問題?ごめんなさい。謝ります。行き着く先は、いつも、ドメスティックな自慰。プライベートな領域には出すことを拒む習性と、ただの内気ナイーブ。
世間はどんなものか知らなくて、希少価値の漂う、論理的矛盾点を起点に、自分内での欲望は頂点に立つような気がしている。締め切らない、ボタン式の窓は、煩い音をたてて、暴状を打ち砕いてきたが、いつの間にか。眠りについてそして、見傾げてそこは、蠢く異邦の民族。
誰なんだろう。誰もいやしない邦土に滑稽な言葉と合わさって、時間が禿げていくような。人が均一な木偶の坊であって、壊れていく錯覚。それでは、持ち直すことのできない、吊り輪の止血。禁止して歩けなくして、這い出せない、苦悶であって、差詰めて、同化同調破局なモチ。いや、道連れらレている、、主体ではなかった。もう、求めるものも、向かってくるだけの流儀。沈黙の後、戻っているさと、あっけなく、つまらなく。
もういいのに。地面に立っていないことが、十分に半日は過ぎて。晴れているのか、じきに降雨して、北緯四十度線は妄想の賜物でしかないこと。勇んで、身近でも囲むことのできる。余計に、余計に伐られていく。んで、白に水。

 

自分一人ではどうにもならない。他人が要る。自分でない人が要る。一人でいたいのか。たくさん知りたいのか。広げたいと思うでもない。近くでは狭めて、困らないのか。くっつきたくても、くっつけなくても、離れたくても、離れられなくても。

 

壊れた。滲みが無く、空席だらけに、しゃがんで。停まっていても、何も起こらず、また進んでいく。寒いときには北に行くのか。それは同胞だと言うけれど、僕は信じられない。ある時の、ある同胞に、彼は語らう。北に行くらしい。北に何があるのか。自分とは縁遠い、メロチックなものがあるのか。もう先に行けない。自滅して、足先が、霞んでいる。そうに違いない。行き着くことは出きるはず無かった。なんでもあるものが無く、無いものがあり、南からの頼りに、嘔吐し、海へと逃げ出していた。
挨拶変わりの地酒薬品。それ以上は、暖炉で淀む殺気な空気。ってまとわりつく、呆気なモラトリアム。風流言い渡しのない、友人輪に、筆禍係わりのある、新旧な物事。境界いざ知らず、まやかしからそこにいられると考える。叫び転がる横に、あっけらかんな背が高く、愛想無い、通過。見える窓から、そこは際限。自分から、酒乱し。そんな、夜想。見透いた眼に、何度目かの極景……。

 

眠気から、どことなく落ち着かなくなって、探検の役目が果たせないまま、もう寝る。

 

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